宮古島で、風の声を聴く

叶澄

かなす

あなたの内側で、
今も静かに吹いている風を。

自己紹介

はじめまして、
沖縄県宮古島市の城辺保良(ぐすくべ ぼら)で、ユタとして活動しております、叶澄(かなす)と申します。

今日は、私がこの仕事にたどり着くまでの道のりを、少しだけお話しさせていただこうと思います。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

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生まれ育ちは、宮古島の南、東平安名崎に近い保良の小さな集落です。
海がすぐそこまで押し寄せ、昼も夜も、サトウキビ畑を吹き抜ける風の音が家の中まで届いてくる、そんな家で育ちました。

両親は本島に働きに出ていたので、
物心ついた頃から私を育ててくれたのは、
集落の外れで小さな畑を持って暮らす、祖母(おばあ)でした。

祖母は正式なユタではありませんでしたが、
集落で赤ちゃんが生まれた時や、誰かが病を治した時に、
節目ごとに、神歌のような短い唄を、ひとりで海に向かってうたう人でした。

「叶澄(かなす)」という名前は、
祖母が集落のかみんちゅに相談して、つけてくれたものだそうです。
宮古の言葉で「かなす」は、
「愛(いと)しい」「大切な」という意味なのだと、何度も教えてもらいました。

生まれた夜のこと、
それまで強く吹いていた東の風が、
私を抱いた瞬間、ふっと止んだと祖母は繰り返し話してくれました。

「あんたは、風が運んでくる声を聴ける子になる。
その声を、みんなのために"叶えて"あげる子になりなさい」

そう言って、祖母はこの二文字を選んでくれました。

幼い私にはよくわからない話でしたが、
その言葉の音だけは、
胸のずっと奥に、ふうっと留まり続けていました。

自分は少し違うのかもしれない、と最初に思ったのは、六つの冬の朝です。

集落の広場の端で、
一人でおはじきをして遊んでいると、
北からの風に乗って、
遠くから、細い女の人の声が、「ハル、ハル」と呼ぶのが聴こえてきました。

近くには誰もいませんでした。
それでも、その声は確かに、私の耳の後ろまで届いていました。
なぜかそのまま、
私は声の聴こえてきた海の方角へ、走り出していました。

砂浜の道の途中で、
集落に住むおばあが、
籠を落として、うずくまっていました。
そのおばあの旦那様の名前が、
「治さん」でした。

「なんで、ここに来たの?」

驚いた顔で、そう聞かれました。

「風が呼んだから」

私は自分でも意味がわからないまま、
そう答えていました。

その日から、少しずつ、
不思議なことが増えていきました。

私に届くのは、色でも姿でもなく、その人の周りにまとわりついている、小さな風の音です。

  • 穏やかに凪いでいる人。
  • 体の内側で、静かに渦を巻いている人。
  • 表では笑っていても、背中のほうにだけ、乾いた風を吹かせている人。

その風の音の様子で、
その方が今、どんな時間の中にいるのかが、
なんとなく分かってしまうのです。

最初は気のせいだと思っていました。
けれど、
背中に乾いた風が視えた友達に「大丈夫?」と声をかけた翌日、
その子は必ず、「本当はね」と、家のことや体のことを話してくれました。
くり返されるうちに、
これは思い込みではないと、確かにわかっていきました。

中学、高校と進むにつれて、
この感覚はいっそう強くなっていきました。
宮古島の港、夏の八月踊りの広場、学校の体育館——
人が集まる場所を歩くと、
何十もの風の音がいっぺんに耳の後ろに集まってきて、
帰り道は、頭の芯がぼうっとしていました。

放課後はよく、
祖母の家の縁側に座って、
畑の向こうを吹く風の音だけを聴きながら、
自分の中の風を静めてから、家に帰っていました。

高校二年の秋のことです。

祖母がふと、
夕食を終えたあとで、
「あんた、明日の朝早くに、私と海に来てくれない?」と、声をかけてきました。

翌朝、まだ薄暗いうちに、
祖母と二人で集落の端の岩場に立ちました。
祖母は懐から古い盃と、
一枚の白い手ぬぐいを取り出して、
海に向かって捧げるように、そっと置きました。

「あんたには、いつか、私が持っているこの器を渡すからね。
私の体は、もうそう長くないよ。
心配しなくていい。
私の後ろに、もっと前のおばあ達が、ちゃんとついているから」

祖母は淡々と、そう言いました。

翌年の初夏、
祖母は畑仕事の途中で倒れて、
そのまま、眠るように旅立ちました。

その日から私は、
あの朝海に捧げていた古い盃と、
一枚の白い手ぬぐいだけは、
どこへ行くにも、そっと持ち歩くようになりました。

十八の春、私は那覇に出ました。

観光の仕事に憧れたわけではなく、
ただ、島の外の風のなかで、
"普通の人"として過ごす練習を、してみたかったからです。

那覇では、
小さな観光土産のお店で働き始めました。
売り場に立っていれば、
言葉と笑顔だけで仕事は成り立つと、信じていました。

けれど、お店に来られる方一人ひとりの背中から、
何十もの違う風の音が同時に立ち上がってきて、
私は、言葉を選ぶ間もありませんでした。

  • 旅先で少し肩の力が抜けたお客様の風。
  • 別れ話をしたばかりの旅の連れの方の風。
  • 親御さまの看取りをすませた帰り道の方の、深く沈んだ風。

それらすべてが、耳の後ろにいっぺんに流れ込んできて、
半年もしないうちに、朝、布団から起き上がれなくなりました。
身体はどこも悪くないのに、
頭のなかで、
数えきれない風が絶え間なく吹き続けていたからです。

ある雨の夕方、
お店の休憩時間に、
古い島の写真集をなんとなくめくっていました。

そこに載っていた、保良の集落の裏の畑の写真。
祖母が畑仕事をしていた、
あの緑の景色の隅を、
まっすぐな東の風が吹いていくのが、写真の中でも、はっきりと視えました。

その一枚を閉じた瞬間、
私は自分の中で、「帰ろう」と決めていました。
数週間後、
私は仕事を辞めて、
宮古島に戻ってきました。

久しぶりの保良は、
何ひとつ、変わっていませんでした。
家の縁側に立って、
海の方角にしばらく手を合わせたあと、
私は一人で、
集落の外れにある小さな御嶽(うたき)の道を歩いていきました。

拝所の石の前に立った瞬間、
北からの一筋の風が、
私の耳の後ろを、ゆっくりと通り抜けていきました。
その風のなかに、
祖母の声のような、
低い唄が、ひとつだけ、混じって聴こえた気がしました。

「あんたの耳は、
もう、あんただけの耳じゃないよ。
ちゃんと、私たちがついているから」

その瞬間、
自分のなかで長いあいだ結ばれていた何かが、
ふっと、ほどけました。

初めて誰かの相談を受けたのは、それから半年ほどしてからです。

集落の隣に住む三十代の女性から、
「主人と話すのが、ちょっと怖くなってきた」と、
ぽつり、台所に相談にいらっしゃいました。

怒鳴られるわけでも、
無視されているわけでもない。
ただ、旦那さまの顔を見るのが、少しずつ辛くなっている、とのことでした。

温かいお茶を差し上げながら、
その方の周りに立つ風の音を、静かに聴いてみました。
風は、決して激しくは吹いていませんでした。
ただ、細く、細く、
その方の胸のあたりだけを、
繰り返し繰り返し、逆向きに撫でていました。

「あなたが辛いのは、
旦那さまが変わられたからではありません。
あなたご自身の風の向きが、
少し変わり始めているだけです」

そうお伝えすると、
その方は、
湯呑みを両手で包んだまま、
しばらく黙って、静かに泣いていらっしゃいました。

数ヶ月後、
ご主人と少しずつ話す時間を作れるようになった、
とお土産のサーターアンダギーを持って、また訪ねてこられました。
その笑顔を見送りながら、
自分がこの仕事を続けていくのだと、
胸の底で、静かに決まりました。

それから少しずつ、鑑定の仕事を始めました。

最初は島の中の口コミからでしたが、
今は本土や他の離島の方からも、
オンラインでご相談をいただくようになりました。

  • お仕事の岐路に立たれている方。
  • ご家族との関係で、長く胸のつかえを抱えている方。
  • 大切な方を亡くされ、気持ちの置きどころを探されている方。

私に声をかけてくださる方々は、
たいてい、
ご自身の中に、
すでに小さな答えの風を、そっと吹かせていらっしゃるように感じます。

私にできるのは、
その方の風の音を、
できるだけ丁寧に聴き取って、
「今、風はこちらへ向いていますよ」と、そっとお伝えすることだけです。

聴こえたこと、視えたことは、
言葉を選んで、正直にお伝えします。
ただ、
「こう進むべき」とは、絶対に申しません。
風の向きを選ばれるのは、いつだって、ご本人ご自身です。

六つの冬の朝、
砂浜の道で、風に呼ばれて走った小さな私は、
今も、心のどこかにそのまま住んでいます。

遠くから吹いてくる風の声を、耳に留める。
その方の願いを、そっと"叶える"仕事。

祖母が置いていってくれたこの名前のとおりに、
今日も保良の一室から、
画面の向こうの、
お一人おひとりの風の音に、そっと耳を澄ませています。

ここまで読んでくださって、
ありがとうございました。

もしこの文章のどこかで、
胸のあたりに、
ほんの小さな風の音が通ったなら。
今、ひとりで、
自分の風の向きが読めなくなっているのなら。
よかったら公式LINEから、そっと覗いてみてください。

一緒に、
あなたの内側で、今も静かに吹いている風を、
聴きにいけたらと思います。

叶澄

よく聞かれること

こんにちは、叶澄(かなす)です。
宮古島の南、城辺保良の小さな集落で、霊視のお仕事をしています。

ありがたいことに最近、SNSやメッセージで、同じようなご質問をたくさんいただくようになりました。

ひとつずつ丁寧にお返しできればいちばん良いのですが、お返事が追いつかないこともあり、よくいただくご質問をこちらにまとめさせていただきます。

ご鑑定を考えてくださっている方にとって、少しでも安心のきっかけになれば嬉しいです。

01「叶澄(かなす)」って、どういう意味ですか?

宮古の言葉で「かなす」は、「愛(いと)しい」「大切な」という意味です。

名前は、祖母が集落のかみんちゅに相談して、つけてくれたものです。

生まれた夜、それまで強く吹いていた東の風が、私を抱いた瞬間にふっと止んだ、と祖母が繰り返し話してくれました。

「風の運ぶ声を聴ける子になる。
その声を、みんなのために"叶えて"あげる子になりなさい」

そう言って、この二文字を選んでくれたと聞いています。

02ご出身はどちらですか?

生まれ育ちは、宮古島市城辺保良です。
東平安名崎に近い、海と畑しかない小さな集落で、祖母に育てられました。

十八の春、島の外の風のなかで暮らしてみたくなり、那覇に出て観光土産のお店で働きました。
けれど半年ほどで、人の気配に押されて動けなくなり、島に戻ってきました。

それからは、保良の家の一室で、ずっとこの仕事をしています。

03ユタさん、なんですか?

いちばん答えに迷うご質問です。

私自身は、正式に修行をして名乗っているわけではありません。
ただ、祖母から受け継いだ古い盃と手ぬぐいを持ちながら、周りの方からそう呼ばれるようになったので、今はそう名乗っています。

派手な儀式のような鑑定ではなく、台所で、お茶を淹れながら、相手の方の風の音にそっと耳を澄ませる。
そんな形でさせていただいています。

04いつから「視えて」いましたか?

はっきり覚えているのは、六つの冬の朝です。

一人で遊んでいた私の耳の後ろに、北からの風にのって、遠くから女の人の声が「ハル、ハル」と呼ぶのが届きました。

気づけば海の方へ走り出していて、浜辺の道で籠を落として座り込んでいる近所のおばあを見つけました。
そのおばあの旦那様の名前が「治さん」でした。

自分でもわからないまま、「風が呼んだから来た」と答えていました。
それが、はじまりだったのだと思います。

05どのように「視える」んですか?

私に届くのは、色や姿ではなく、その方の周りに立っている小さな風の音です。

  • 穏やかに凪いでいる方。
  • 体の内側で、静かに渦を巻いている方。
  • 表では笑っていても、背中のあたりだけ乾いた風を吹かせている方。

その風の音の様子で、「今、この方はどんな時間を過ごされているのか」が、なんとなく聴こえてくるのです。

そこに、ふと浮かんでくる言葉や景色をあわせて、お伝えしています。

06当たりますか?

これも、少し答えに迷うご質問です。

私は、「当てる」ことを目的に鑑定をしていません。

大切にしているのは、お聴きしたことをお伝えしたときに、ご相談者さまが「あ、言われてみれば」とご自身で気づいてくださること。

当たり外れよりも、その方の中にすでに吹いている風を、ご自身で聴き直せるようになる。
そこがいちばん大事だと思っています。

07対面でもお願いできますか?

ごめんなさい、現在、対面でのご鑑定はお受けしていません。

宮古の外にお住まいの方からのご相談も多く、公平にお受けするために、文章でのやりとりに限らせていただいています。

お電話や通話もお受けしていませんので、文字での読み書きがしやすい方に、特におすすめしています。

08無料鑑定と、本鑑定は何が違いますか?

無料鑑定では、お送りいただいた一つのご相談について、今吹いている風の向きを短く、要点だけお返しします。

本鑑定では、同じご相談について、もう少し時間をかけて、その風がどこから来てどこへ向かっているのか、周りにいる人の風との関わりまで含めて、丁寧にお伝えします。

無料鑑定を受けていただいたうえで、「もう少し先まで聴いてみたい」と感じてくださった方だけ、本鑑定へお進みいただく流れです。

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09複雑な恋愛や、人に言いにくいご相談でも大丈夫ですか?

大丈夫です。

むしろ、人に話せずに長く胸の中で抱えてこられたご相談ほど、風の音は細く、長く乱れていることが多いです。

私がお伝えするのは、良い・悪いの判断ではなく、「今、あなたの中でこういう風が吹いています」というだけのことです。

どんなご関係でも、裁いたり、お説教めいたことを申し上げたりはしません。
安心してお書きください。

10怖いことを言われませんか?

怖がらせて動かす、ということは、絶対にいたしません。

「今動かないと悪いことが起きます」といった脅すような伝え方は、鑑定の品格を損ねてしまうと思っているからです。

視えた風がどんな向きでも、できるだけやわらかい言葉で、できるだけ正直に、そのままお伝えすることを心がけています。

11「先生」とお呼びしたほうがよいですか?

「叶澄さん」、または「かなすさん」と呼んでいただけたら、いちばん嬉しいです。

宮古の言葉で「かなす」は「愛(いと)しい人」という意味で、祖母が付けてくれた名前です。

先生、ではなく、少しだけ風の音がよく聴こえる、ご近所のおばさん。
そのくらいの距離感で、ご相談いただけたらと思っています。

12みなさまへ

今、ご自身の周りに見えている景色だけで、人生のこの先を決めてしまわないでください。

風は、一つの場所にずっと留まることはありません。

今、強く逆向きに吹いている風も、しばらくすると向きを変えますし、長いあいだ凪いでいた胸の中にも、ある日ふっと、やわらかい風が吹き始めることがあります。

どうしても今の風が辛い、という方。
自分の中で、どの風を信じたらいいのか、わからなくなってしまった、という方。

よかったら、公式LINEから、そっと声をかけてください。

一緒に、あなたの風の音を聴きにいけたらと思います。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

鑑定をご希望の方は、
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